家族にだけイライラする・キレるのは病気?
どんなことにイライラするかは、人によって異なります。まわりの人からは「そんなことで?」と思われたとしても、大切な人を小ばかにされたり、大切なものを蔑ろにされたりすると、イライラしてしまう、あるいはキレてしまうということがあります。もちろん危害を加えてはいけませんが、イライラという感情を抱くこと自体は、悪いことではありません。
ただ、普段はそうでもないのに家族に対してだけイライラしてしまい、その感情がいつか爆発してしまいそうという場合には、パーソナリティ障害や適応障害、うつ病、発達障害など、こころや脳に関わる問題を抱えている可能性があります。お早めに、当院にご相談ください。
ご本人だけでなく、お困りになっているご家族からの相談も承ります。
家族にイライラ・
キレてしまう時に
考えられる病気
家族にどうしてもイライラしてしまう、キレてしまう場合に考えられる病気としては、以下のようなものがあります。
パーソナリティ障害
考え方・捉え方に極端な偏りがあり、しばしば情緒面や人間関係のトラブルを起こしてしまう障害です。
家族など近しい人が自分の思い通りにならない場合に、ひどくイライラしたり、声を荒げてしまうことがあります。
適応障害
ストレスによってこころと身体のバランスが崩れ、情緒的・身体的な症状が現れます。
不安、憂うつ、意欲・関心の低下、思考力の低下などに加えて、イライラ・怒りっぽいといった症状が見られることがあります。また、問題行動として喧嘩に発展してしまうこともあります。
うつ病
気分の落ち込み、憂うつなどの症状はよく知られていますが、適切な治療を受けずにストレスがどんどんと溜まっていくと、イライラが身近な家族に向けられることがあります。一方で、そうしてしまう自分をひどく責めるという様子も見られます。
発達障害
先天的に認知、行動、知能などに偏りがある障害の総称です。
子どものころから感情のコントロールが難しい傾向があり、うまく伝えられない、まわりと同じようにできないことからストレスが溜まり、家族に対してイライラしてしまう・当たってしまうケースが見られます。
双極性障害
いわゆる「躁うつ病」のことです。特に躁状態の時、ハイテンション、清々しい気持ちで活発に動く一方で、些細なことでイライラする・怒り出すということがあります。
またうつ状態であっても、うつ病と同様にストレスを溜め、家族へとイライラが向かってしまうことがあります。
月経前症候群
生理の3~10日前から生理が開始されるまでの期間に、腹痛、乳房痛、頭痛、食欲不振・過食、疲労感、急に悲しくなる・涙が出る、イライラ・怒りっぽい、落ち込み、絶望感などの症状に見舞われます。
精神的な症状が強く出ておりお困りの場合には、当院にご相談ください。
更年期障害
女性ホルモンの低下による自律神経のバランスの乱れによって、イライラ、意欲の低下、倦怠感、異常な発汗、不眠といった心身の症状が引き起こされます。
45~55歳くらいの更年期の女性に多く発症します。
反抗挑発症
怒りっぽくイライラし、挑発的に大人に反抗する状態が6カ月以上続き、日常生活に支障をきたしている障害です。就学前から中学生くらいの子どもに見られます。
敵意の対象となるのは、家族、教師などの大人に限られます。
家族にイライラする時の
対処法
一時的に距離を取る・一人の時間を作る
いつも一緒にいて喧嘩ばかりしているというケースにおいて、互いに別々の時間を過ごすなど一定の距離を置くと、気持ちが落ち着いたり、自分の言動を反省するなどして、関係が良くなることがあります。 ずっと一緒にいると、どうしても家族がいることへの感謝を忘れてしまうのです。
休憩の時間を取る
神経が過敏になっている時は、誰でもちょっとしたことでイライラしてしまいます。睡眠をとることはもちろん大切ですが、日中に何も考えずにボーッとする時間を作る、一人でリラックスタイムを楽しむといった工夫を取り入れてみてください。
生活習慣を改善する
生活リズムの乱れ、睡眠不足、ストレスは自律神経のバランスを乱します。必要に応じて、改善しましょう。家族と一緒に取り組めれば、なお良い結果が期待できます。
人に話してみる
イライラしたことを友人などに愚痴って、大笑いをしてスッキリしたという経験は、誰もがお持ちではないでしょうか。解決に至らない場合も、気持ちを吐き出すだけで楽になります。
クリニックを受診する・カウンセリングを受ける
顔を見るたびにイライラしてしまう、暴言・暴力に及んでしまいそうになる、一緒にいることが耐えられないといった場合には、迷わず心療内科・精神科を受診してください。もちろん、それ以前の段階でご相談いただいても構いません。
当院では、医師による診断・治療はもちろん、心理カウンセラーによる自費のカウンセリングにも対応しています。