やる気が出なくて
寝てばかり…原因は?
疲労
こころや身体が疲れた時、本能的に休息を求めるため、やる気を出すことが難しくなります。ぐっすり眠って次の日に元気なら、特に問題はありません。ただ、慢性疲労にならないよう、頑張り過ぎは禁物です。
自律神経の乱れ
自律神経が乱れると、こころや身体に不調をきたします。やる気も出ませんし、身体も休息を求めています。自律神経が乱れる原因としては、ストレス、生活リズムの乱れ、睡眠不足などが挙げられます。
環境の変化
就職・転職、転居、転校、結婚・妊娠・出産、親の介護など、たとえそれが本人にとって好ましいもの(結婚や栄転など)であっても、環境の変化はストレスとなって心身に悪影響を及ぼすことがあります。
燃え尽き症候群
大きな目標を達成したことで、自分が次に何をすればいいのか分からなくなり、一転して無気力になるのが燃え尽き症候群です。長く、努力してきた人ほど注意が必要です。まずはゆっくりと休み、気長に次の目標を探していくようにしてください。
何をしても無駄と
思ってしまう
就職活動・日々の仕事・受検などで失敗が続いたり、ずっと目標にしていた道が絶たれたり、生きがいのない日々が続いていると、「何をしても無駄」という想いに囚われてしまうことがあります。
やらなきゃいけないのに…
やる気が出ない時に
考えられる病気
仕事、勉強、家事など、やらなくちゃいけないと思いながらサボってしまうのは、誰にでもあることです。ただ、「やらなくちゃ」という気持ちがある限り、大半は一時的なサボりであり、再びやる気を取り戻すなどして、うまく乗り切ります。
その中で、「やらなくちゃ」という気持ちがあるにもかかわらず、どうしてもやる気がでない・実際にできないといった状態が続く場合には、うつ病をはじめとする何らかの病気の可能性を考える必要があります。
うつ病
主にストレスを原因として発症する気分障害の1つです。やる気が出ない、気分の落ち込み、疲労感、倦怠感、不眠などの症状が見られます。悪化すると、仕事や勉強・家事だけでなく、身だしなみを整えたりお風呂に入ったりといったことさえ難しくなります。
適応障害
人間関係の悩み、環境の変化などに伴うストレスを原因として、やる気が出ない、気分が落ち込む、不眠などの心身の症状が現れます。また、関連して遅刻や無断欠席、過食、浪費などの問題行動を起こすこともあります。
自律神経失調症
ストレスや不規則な生活、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足などを原因として自律神経のバランスが悪くなり、憂うつ、意欲や関心の低下、疲労感、倦怠感、めまい、耳鳴りなどのさまざまな症状を引き起こします。
認知症
さまざまな脳の病気によって、脳の神経細胞の働きが悪くなり、認知機能が低下します。
もの忘れが多く、そのことを指摘しても思い出せないという特徴があります。これに加え、やる気が出ないなどの無気力、気分の落ち込み、感情の起伏の低下、徘徊といった症状も見られます。
当院では、認知症や軽度認知症の方・疑われる方のための「もの忘れ外来」を開設しています。
更年期障害
女性ホルモンの低下に伴う自律神経のバランスの乱れによって、倦怠感、意欲の低下、イライラ、異常な発汗、不眠など、さまざまな心身の症状を引き起こします。圧倒的に女性の割合が多いものの、男性に見られることもあります。
慢性疲労症候群
休んでも改善しない慢性的な疲労感が、6カ月以上続いている状態です。強い疲労感があり、集中力や注意力の低下、微熱、頭痛、肩こりなどの症状も見られます。
はっきりとした原因については、まだよく分かっていません。
無気力症候群とは
無気力症候群とは、意欲や自発性の低下、感情の起伏が小さくなるといった、日常生活に対して無気力になってしまう状態です。
症状セルフチェック
- やる気が出ない
- 自分で何かを始めよう、やろうという気が起きない
- 以前まで好きだったことにも興味が湧かない
- 午前中の遅い時間や午後に起床する
- 部屋が散らかったまま、掃除・整理ができない
- 出勤前・登校前や前日に特にやる気が出ない
- 休日になると多少気持ちが楽になる
- 原因不明の頭痛、肩こりが続いている
無気力症候群の原因
私たちの脳内では、神経伝達物質としてアドレナリン、ドーパミン、セロトニンが分泌されています。人の感情・行動、自律神経にも影響する物質です。無気力症候群では、過度のストレス・疲労などによって神経伝達物質のバランスが崩れることを原因として、さまざまな精神・身体症状が引き起こされます。
対処法
十分に休む
もっとも簡単で即効性が期待できるのが、休息・睡眠です。多くの場合、やる気を取り戻せます。
ただ、しっかり休んだのに疲れが取れない、多少は良くなったが他にも症状がある、そもそもよく眠れないといった場合には、受診が必要です。
生活習慣を整える
栄養バランスの良い食事と適度な運動、規則正しい生活リズムなどによって、生活習慣を改善しましょう。まずは無理のない範囲で取り組み、症状が改善してからも継続することが大切です。
環境を変える
現状に大きな不満があり、自分の頑張りでは改善が難しい場合には、環境を変えるという方法が有効になることがあります。具体的には、部署異動の申請、転職、転校、転居、あるいは一人暮らし・パートナーとの生活を始める等です。ただ、うつ病や適応障害などの場合、正常な判断ができない可能性が高くなります。退職を含め、大きな決断は急がす、先に精神科・心療内科を受診することをおすすめします。
日光を浴びる
日光浴は、セロトニンという神経伝達物質の分泌を促進したり、体内時計をリセットしたり、免疫力を高めてくれる効果があります。
うつ病の予防や改善にも、日光浴は有効です。特に、朝起きてすぐの日光浴をおすすめします。
周りの人に相談する
家族、親しい友人、信頼できる上司など、周りの人に相談することで症状が改善することがあります。相談によって問題が解決するとは限りませんが、悩み・想いを口に出すだけで心が軽くなることが期待できます。
小さな目標を立てる・ゴールを想像する
成功体験、ゴールの想像は、やる気を取り戻す方法としてとても有効です。
大きな目標を掲げるのは悪いことではありませんが、そこに辿り着くための短期的な、比較的小さな目標をいくつか設定することで、成功体験を積み重ねることができます。