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適応障害

適応障害とは

適応障害とは適応障害とは、主にストレスによって、気分が落ち込んだり、意欲・関心が低下したり、眠れなかったりといった情緒的・身体的な症状が現れる状態です。またそれにあわせて、問題行動も見られます。
ストレスの原因がなくなれば、症状は比較的速やかに(数カ月以内)に改善するとされています。そのため、早期に発見し、速やかにストレスを取り除くことが大切になります。また予防という意味では、ストレスを溜め込まないことが重要です。
思い当たるストレスの原因がないという場合には、うつ病などの他の病気の可能性も考えなくてはなりません。

適応障害で現れる主な症状

情緒的な症状

  • 不安
  • うつ状態
  • 意欲、関心の低下
  • 思考力の低下
  • 集中力、注意力の低下
  • イライラ、怒りっぽい
  • 悲壮感、焦燥感
  • 神経過敏、頭の混乱
  • 子供返り(退行)

身体的な症状

  • 慢性的な疲労感、倦怠感
  • 不眠
  • (悲しくないのに)涙があふれる
  • 食欲不振
  • 動悸
  • 過呼吸
  • 肩こり
  • 腹痛

問題行動

  • 遅刻、無断欠勤
  • 不登校
  • 仕事を進められない
  • 過剰な飲酒
  • 過食
  • 無謀運転
  • ギャンブルでの浪費
  • 喧嘩
  • 引きこもり

適応障害の原因=ストレス

適応障害の原因=ストレス適応障害の原因は、ストレスにあります。
ストレスというと、仕事・学業・家庭の問題、またそこでの人間関係が思い浮かぶかもしれませんが、生活習慣の変化など、さまざまなものがストレスになることがあります。

 適応障害を引き起こすストレスの原因

生活習慣の変化

  • 就職、転職、部署移動
  • 進学、受検の失敗(希望する進路ではなかった)
  • 結婚、妊娠、出産
  • 初めての一人暮らし、転居

人間関係の悩み

  • 上司、同僚、取引先との関係がうまくいかない
  • 同居している家族、親戚などとの関係悪化
  • 友人、交際相手とのトラブルや別れ

適応障害に
なりやすい人

以下のような外部要因や内部要因を抱えている人は、そうでない人と比べると適応障害になりやすいと言うことができます。

外部要因

  • 家族、友人、恋人など、相談にのってくれる人、支援してくれる人がいない
  • 就職・転職に伴う遠方への転居などにより、まわりに知り合いがいない
  • 重大な仕事を任されている、多忙であるなどしてストレスが溜まっている
  • 職場、学校などで孤立している
  • 結婚、妊娠、出産を迎えた
  • 進学、就職などで希望が叶わなかった・理想とのギャップを感じている

内部要因

  • ストレス耐性が低い
  • 人に頼ることができず、ストレスを抱えがち
  • 責任感が強い、几帳面、生真面目な性格
  • 求められる成果や成績に見合った実力がまだない
  • ストレスへの対処能力が未熟(ストレスを乗り越えた経験が少ない)

適応障害の診断

丁寧に問診・診察を行い、ストレスを感じてから3カ月以内に症状が出ている、ストレスにより強い苦痛を感じている・生活に支障が出ている、その他の精神疾患ではない等の基準を満たした場合に、適応障害と診断します。
ストレスの原因が見つからないという場合には、うつ病などの他の病気を疑います。

【職場のメンタルヘルス】
休職してもいいの?
診断書は必要?

仕事が原因の場合は
休職も一つの
選択肢です

休職してもいいの?診断書は必要?適応障害の治療では、原因となっているストレスを取り除くことがもっとも重要になります。
そのため、仕事や職場での人間関係が原因である場合には、休職を検討しましょう。ただ、事情を伝えて会社が配置転換などをしてくれて、仕事を継続できることもあります。
また、たとえ仕事が原因であっても、自己判断ですぐに退職するという選択はおすすめできません。情緒的な症状によって、正しい判断ができない可能性があるためです。退職したものの転職・復職ができずに経済的に困ってしまうということもあります。
休職を検討している段階であっても、退職をしたい気持ちが強いギリギリの段階であっても、診断・治療を受けるため、そして後悔のない正しい判断をするため、医師に相談するようにしましょう。

休職には診断書が
必要です

会社によって異なりますが、多くの会社において、休職をする場合には、「休職が必要な状態である」といった内容が書かれた医師の診断書が必要になります。
緑川こころの診療所では、診断がつき次第、診断書を即日発行することができます。

診断~休職までの流れ

1医療機関の受診

まずは精神科・心療内科などの医療機関を受診し、医師の診察を受けましょう。
原因が仕事や職場での人間関係にある適応障害と診断されれば、休職を検討します。休職が必要であると医師が判断し、ご自身も休職を希望する場合には、診断書を作成してもらいます。診断書には、休職期間の目安についても記載します。

※配置転換などによって、仕事を継続できることもあります。このあたりも、医師と相談の上、職場にどのように要望を伝えるか、方針を決定しましょう。

2職場に伝える

職場に休職を希望していることを伝えます。診断書が必要である場合には、その提出も必要です。
この時、休職期間、その間の給与のことについても確認しておくことが大切です。休職についての取り決めは、会社によって異なります。万が一、条件を満たさないなどの理由で「休職はできない」と言われた場合には、今後どのような対応が可能なのか、確認していく必要があります。

※休職が認められない場合、休職中の給与・手当がない場合も、激しく対立してしまうと、復職が難しくなることがあります。休職制度は会社ごとに異なることを理解し、一旦会社の説明を持ち帰るなどして、落ち着いて対応しましょう。

3休職の手続き

会社の休職制度にもとづき、休職手続きが進められていきます。
休職可能期間、休職期間中の給与はどうなるのか、休職中の連絡方法、仕事の引継ぎなど、最終的な確認が必要です。

※会社に傷病手当などの制度があり、利用を希望する場合には、その手続きも必要になります。
なお、リワークプログラム利用者と非利用者とを比較すると非利用者の方が再休職リスクが高いことも指摘されています。当院では必要に応じて、リワークプログラムへの参加をご提案させていただく場合もあります。